ソガイ

批評と創作を行う永久機関

第27回文学フリマ東京 で『ソガイ vol.3 戦争と虚構』を販売します。※試し読み有り

前回に引き続き、文フリ東京に出店します。 c.bunfree.net ブース番号はキ-12、隣接ブースは早稲田大学現代文学会さんとArts&Books コレコネ&ABYBさんになります。開始時間の十一時から終了の一七時までブースを開いている予定なのでお好きな時にお越しくだ…

『あいくるしい』歌詞考察、もしくは鑑賞?~言の葉をかき分けた先には~

私はこれまで、歌詞の考察といったものをしたことがほとんどない。いまだ詩をちゃんと読めない人間、ということもあり、歌詞考察というものはどうにも私の領分にはないのではないか、と逃げてきたところもある。 ではなぜ、いまから『あいくるしい』という、…

作品によって変わる作者の顔、それでも変わらない場所~私にとっての柴崎友香の場合~

正直なところ、柴崎友香の作品に苦手意識を持っていた時期があった。それは、芥川賞受賞作『春の庭』(文春文庫)をすぐさま購入し、読んだときにも拭えなかった。(思えば、なぜなかば読まず嫌いになっていた作家の作品を迷わず購入したのか、いまになって…

訊いてみた! 大学で学ぶ文学とは?

語り手 宵野夏雪 大学で文学を専攻。正確に言うと学部名称は文学部ではない。聞き手、全体構成 雲葉零 大学での専攻は経済学。 小説家になりたい。そう思った人は大学で文学を学ぶべきなのでしょうか。 以下、文学を専攻した宵野へのインタビュー形式でその…

『ルポ ニッポン絶望工場』に見る官僚組織としての朝日新聞

いつごろからなのかははっきりと覚えていないが、都心ではコンビニや飲食チェーンで外国人店員を多く見かけるようになってきた。日本人よりも外国人のほうが多いのではないかとすら感じる。そこまでではないにせよ、都会とは程遠い私の田舎でも外国人店員を…

「危うさ」と「きわどさ」の魅力としての、堀江敏幸『砂売りが通る』

読書の醍醐味のひとつに「再読」があることは、論をまたない。とはいえ、折に触れて何度も何度も紐解きたくなるような作品なんてものは、そうそう出会えるものではない。一般的に評価が高くても、それは、その作品が自分にとって何度も読みたくなるものにな…

野坂昭如『戦争童話集』をきっかけに考えてみる、「当事者意識」というもの

インターネットやSNS等で、だれでもどこでも、世界中の情報を得ることができるような社会になったが故に、かえって、「当事者性」といったものが持つ力が、もはや特権的とでも言えるくらいに大きくなっているように感じられる。 文芸の世界でも、これはホ…