日本の出版においては、最初に単行本で刊行されて、数年経ってから文庫本として刊行される文学作品やエッセイは多い。 主となる中身自体は基本的に単行本でも文庫本でも大きく変わるわけではない。新刊が出ると、文庫になるまで待とうかな、といった声がとこ…
8月24日 最近、別にそんなにたくさん本を読もうとしなくてもいいのではないか、と思うようになった。 これは、「本なんて読まなくてもいい」ということではもちろんなくて、本を読むことを目的として本を読むのはどうなんだろう、という疑問によるものだ。 …
決して本を読んでいないわけではないのだが、最近は「そもそも本って、『読まなきゃいけない』ものなのだろうか」という根本的な疑問が湧いてきて、それこそ無理して読もうとしなくなった。読みたいとき、より厳密に言えば、読まずにはいられないときに初め…
最近、主に友人と二人で佐伯一麦の文章を読む勉強会、という名の会合を定期的に行っている。佐伯一麦の近刊『Nさんの机で ものをめぐる文学的自叙伝』(田畑書店)を私が読んだことを聞いて、私小説というものについて気になっていた彼から声をかけてもらっ…
書店において、文庫本の棚づくりには大きく分けて2種類の方法が考えられる。 一つが、出版社、レーベルごとに分けた上で作者の五十音順や、各レーベルの番号で並べる方法。 もう一つが、出版社の別なく、作者の五十音順で並べる方法。 多くの書店、とりわけ…
6月3日 「〜こそ」という言葉、とくに言論の界隈で使われているそれが、少し前から妙に気になっていた。 疫病禍、災害、戦争、その他諸々の事件……いま起きている様々な事象から、「今こそ○○を知らなければならない」「こんな時代だからこそ、○○を読まねばな…
聞くところによると、今回の文学フリマ東京はコロナ禍以降で最高の盛り上がりだったそうだ。一方で私たちは、確かに人が多いことは感じていたが、数字上はそれを見受けられずに終わった。様々な要因はあるだろうが、まずは反省をして次回に繫げていきたい。 …