ソガイ

批評と創作を行う永久機関

消えゆくレーベル意識—出版社別か五十音順か

書店において、文庫本の棚づくりには大きく分けて2種類の方法が考えられる。 一つが、出版社、レーベルごとに分けた上で作者の五十音順や、各レーベルの番号で並べる方法。 もう一つが、出版社の別なく、作者の五十音順で並べる方法。 多くの書店、とりわけ…

筆まかせ13(「こそ」について)

6月3日 「〜こそ」という言葉、とくに言論の界隈で使われているそれが、少し前から妙に気になっていた。 疫病禍、災害、戦争、その他諸々の事件……いま起きている様々な事象から、「今こそ○○を知らなければならない」「こんな時代だからこそ、○○を読まねばな…

ソガイ第7号通販開始のお知らせと「読み過ぎ」の現状について

聞くところによると、今回の文学フリマ東京はコロナ禍以降で最高の盛り上がりだったそうだ。一方で私たちは、確かに人が多いことは感じていたが、数字上はそれを見受けられずに終わった。様々な要因はあるだろうが、まずは反省をして次回に繫げていきたい。 …

第34回文フリ東京でソガイ第7号を販売します。(試し読みアリ)

5月29日(日)に開催される第34回文フリ東京に出店します。既刊のほか、新刊ソガイ第7号(テーマ デビュー)を販売するので試し読みを公開します。ブースはツ13です。 目次(エッセイ)鈴木相「出版ぴよぴよ記」出版社で働きながら考えた「本」というものについ…

コミティア・中村ゆうひ・「印西あるある物語」—物語と表現について

友人が出店側として参加するということで、初めてコミティアに行ってきた。 高校生のときに一度だけコミケに行ったことがある以外では、文学フリマ東京以外に同人誌即売会系のイベントに参加したことはなかったが、文フリと比較して、東京ビッグサイトという…

速読へのコンプレックス——『本の読み方 スロー・リーディングの実践』批判

私はかつて、「遅読のすすめ」と題して、宮沢章夫『時間のかかる読書』を紹介したことがある。 www.sogai.net 速読に対するちょっとした違和感についても書いていて、いま読みかえすと少々読書というものを神聖視しているような感じもあり、かなり恥ずかしい…

「再会」(小説)

ある日突然、高田馬場のロータリーが閉鎖された。それがすべての始まりだった。 彼はレインボーファルトの上に置いてある飲みかけのストロングゼロの缶を拾うと、器用に中身をいろはすのペットボトルの中へ注ぐ。不器用な僕は、同じような作業をするといつも…