アニメ・漫画
私は小説に限らず、短篇というものが好きだ。漫画についても同様なのだが、長篇と比較したときの難点は、雑誌やWEB漫画サイトに掲載された作品が書籍化されず、読みたいと思ったときには容易には手に入らなくなっている可能性が高いことだ。なんとか雑誌のバ…
初めて阿部共実を知ったのは、おそらく出世作と言えるだろう『ちーちゃんはちょっと足りない』(秋田書店)だった。「心がざわつく」という触れ込みとカバーの女の子の絵柄とのミスマッチが気になって、当時アルバイトしていた本屋で買った。 前半は、「ちょ…
『イブニング』休刊のニュースには驚いた。たしかに『モーニング』や『アフタヌーン』と比べると最近はあまりヒット作に恵まれていない印象はあるが、それほど漫画好きでもない私ですらよく知っている名前だし、それに版元はあの講談社だ。しかし、それくら…
友人が出店側として参加するということで、初めてコミティアに行ってきた。 高校生のときに一度だけコミケに行ったことがある以外では、文学フリマ東京以外に同人誌即売会系のイベントに参加したことはなかったが、文フリと比較して、東京ビッグサイトという…
いままでに何度も試みては失敗・挫折している読書ノートを、性懲りもなくもう一度始めてみようと思う。というのも、読書量が減っていることに少し危機感を覚え始めたからだ。時間がないといえばないのだが、だからといって皆無なわけではまったくなく、読書…
いろいろあった2020年、「ソガイ」としてはそれほど多くの活動ができたわけではない。5月に「ソガイ」の第五号を刊行、その後、7月に「ソガイ〈封切〉叢書」を勢いで開始し、先日第三号まで刊行することができた。現状、その執筆者は矢馬のみとなっているが…
www.sogai.net 君にとって一番おもしろい文章ってなに? このように問われて、私の頭にはこれまで読んできた数多の作品が駆け巡った。思わず腕組みをして、天を仰ぐ。そのとき、ひとつの答えが降りてきた。 「自分が書いた文章かも」 口にしてから、なんて身…
「嫌ならやめればいいじゃないか」 というような言葉を発した、あるいは聞いた経験がある方は多いのではないか。例えば、酒場でサラリーマンが会社の愚痴を知人に言ったときに。あるいは、喫茶店で友人から恋人の愚痴を聞かされた時に。確かに、ある会社に勤…
ジャンプが創刊50周年を記念して一部アニメを無料公開している。そこで偶然、この動画を目にした。 www.youtube.com こち亀、第204話 「視聴率を盗んだ男」である。 タイトルを見た瞬間に気づいた。これって『太陽を盗んだ男』が元ネタなんじゃないか? と。…
私はこれまで、歌詞の考察といったものをしたことがほとんどない。いまだ詩をちゃんと読めない人間、ということもあり、歌詞考察というものはどうにも私の領分にはないのではないか、と逃げてきたところもある。 ではなぜ、いまから『あいくるしい』という、…
最近少し更新が滞っていましたので、リハビリではないけれども、軽めの感想記事を書いていきたいと思います。 『BAMBOO BLADE』(以下『バンブレ』)はやや古いかもしれないが、アニメ化もしたことがありますし、けっこう有名な作品なのではないでしょうか。…
ストーリーテラーというのは、こういうものを生み出すことのできるひとのことを言うのだろうな、と思ったものだった。 このマンガがすごい!2013(オンナ編)の第2位にもランクインしたこの作品は、表題作の『式の前日』をはじめとした6編の短編からな…
表紙と裏表紙 表紙に書いてあるようにソガイ第二号のテーマは「物語と労働」です。 紙版はB5版で80ページ、定価は500円です。 電子版もあります 目次と概要(クリックすると該当箇所の一部が読めます) 論考 次元を越えた「瓜二つ」―― 磯﨑憲一郎『赤の他人…
第一印象は、「おもしろそうだし、自分は好きだと思うけれど、果たしてネタが持つだろうか」という心配だった。あとは、「最近の漫画のなかでは、あまりにも地味で埋もれてはしまわないだろうか」。現在五巻まで出ていることを見れば、このふたつの懸念は杞…
簡単な紹介 本作は朱戸アオによる漫画であり、雑誌『イブニング』で2018年2月現在も連載されている。その内容を一言で説明すれば、現代日本のある市でペストが流行していく様子が描かれている。局地的なパンデミック漫画とも言える。 タイトルの由来 『リウ…
簡単な紹介 『給食の時間です。』は飯田による給食を題材とした漫画作品である。小学生たちが給食を通じて互いに影響を与え、成長していく様子が描かれている。 本作はウェブコミック配信サイト『裏サンデー』や漫画アプリ『マンガワン』で掲載されていた。2…
おそらく最近では、『ホリミヤ』の原作『堀さんと宮村くん』のひととして有名であるHEROだが、私とHEROの出会い、というか付き合いは、現在単行本として第9巻まで出ている『HERO個人作品集』が主である。このひとの作品、きみに合っていると思うよ、と友人…
4 光と影――期待と不安―― もっともこれは映像の世界においては常套手段といえるものであろうが、『デレマス』も数多の映像作品の例にもれず、光と影の対比がところどころで用いられている。場面として明るいシーンでは全体的に明るく、シリアスなシーンでは…
2 彼女たちが中央に立つとき 注意してみれば意外なほど明確でありながら、しかし意識していないとそうそう気づけそうもないのであるが、第一話において、人物が画面の中央に立つ場面は、実はそれほど多くない。 例外的に、シンデレラガールズのメンバーが『…
『アイドルマスター シンデレラガールズ』 いちファンによる独断と偏見に基づいた映像論的なもの これは、アニメーションはおろか、映画における表現方法の歴史もろくに学んでいない、正真正銘の門外漢による考察である。 世の中にはいま、論じやすいアニメ…
二十代のうちは、夢を見てはいけないんです。そう言われたことがある。 ならば、それより小さいときに見ておくものなのか。いや、しょせん、子供の夢にすぎない、と言われるのがおちだろう。ならば、もっと大きくなってから? 年甲斐もなくそんな夢見て。そ…