ソガイ

批評と創作を行う永久機関

男性作家/女性作家棚—エドゥアルド・ガレアーノ『日々の子どもたち——あるいは366篇の世界史』から

BOOTH以外の販路も開拓していく、と宣言してからだいぶ時間が経ってしまったが、ようやく1軒、書店に自分たちが作った本を置いてもらうことになった。 地元の小さな書店、向島の「書肆スーベニア」さん、こちらに「ソガイvol.5」を3冊置いてもらった。文学フ…

「了解」と「諒解」

「読売新聞」2020年3月28日の朝刊、その1面に、「国語力が危ない」と題された記事が掲載されていた。「エモい」などを巡る国語力の問題を多角的な視点から考察した記事になっている。 その内容については全体的に思うところもあるが、それを指摘していたらき…

「ソガイ〈封切〉叢書」開始について

「ソガイvol.5」の編集をしていたのは主に2月から3月のことであるが、計画を立て始めたのは年が明けるよりも前のことだ。当時、世の中がこのようになることは予想できなかった。ソガイはそれまで、個人的に直接手渡す以外では、文学フリマ東京での販売のみで…

ブックオフについて

地元に初めてブックオフができたのは、たしか小学校中学年くらいのときだったと記憶している。そこはもともとケンタッキーフライドチキンだったような記憶がかすかに残ってもいるが、母親に聞くと、そのテナントは不吉な場所だったらしく、かつて火事があっ…

筆まかせ4

6/13 ここはいちおう「書評・創作ブログ」と銘打っているのだが、「創作」はもともとそれほど多くなかったのでまだしも、最近、まともに「書評」記事をあげていないことが否めない。先月後半あたりから本格的に仕事が始まり、ここしばらくは、4月1日ぶりとな…

誤字を肯定する「内輪の空気」

この前の論考で、「いま同人誌を造るということ」について、本というものに着目し、藤森善貢や小尾俊人を横に置きながら考えた。そこで私は、広い意味での質にこだわった。ものとして残る本は、過去・現在・未来を繫ぐものであり、形として残る本というもの…

「時代遅れ」と言って切り捨てていては……

突然だが、私はどちらかと言えば機械音痴である。いや、けっこう、と言ったほうが正しいかもしれない。たとえば小学生のころ、授業の一環で、各グループに分かれて短い映像を撮ったことがある。そのとき、私はカメラに写らないところでラジカセを使って、BGM…