ソガイ

批評と創作を行う永久機関

筆まかせ6

2021年1月4日 これまで何度も年をまたいできたわけなのだが、記憶にあるなかで今回が最も、年が変わったという意識が薄い。12月30日が12月31日になるように、12月31日から1月1日になるのを感じていた。 それはこの日に至るまで同じで、例年とは異なり、2日の…

個人的2020年の10作品(矢馬潤)

いろいろあった2020年、「ソガイ」としてはそれほど多くの活動ができたわけではない。5月に「ソガイ」の第五号を刊行、その後、7月に「ソガイ〈封切〉叢書」を勢いで開始し、先日第三号まで刊行することができた。現状、その執筆者は矢馬のみとなっているが…

「ドナルド・エヴァンズ展」鑑賞記

横田茂ギャラリーで開催中のドナルド・エヴァンズ展(2020年10月26日〜11月13日)に行ってきた。ゆりかもめ竹芝駅から徒歩3分という、アクセスも申し分のない立地だ。もっとも、私は盛大に道に迷ったせいで30分近く歩き回る羽目になったのだが。 ドナルド・…

本というもの——山中剛史『谷崎潤一郎と書物』「序にかえて」から

もしかしたらどこかで言っていたかもしれないが、私の学部、修士を通じての研究テーマは谷崎潤一郎だ。もともとは谷崎と芥川の、いわゆる「〈小説〉の筋」論争に興味をもったところから始まった。それは大学2年生くらいのことだったと思うが、当時の私は「小…

対症療法の次へ——ソガイ〈封切〉叢書第二号刊行に際し

ソガイ〈封切〉叢書第二号「埠頭警備人」をようやく刊行した。第一号から3カ月ほどかかってしまった。当初の計画では、せめて2カ月に一号は新刊を出すつもりだったのだが、先延ばし先延ばしにしているうちにこんなことになってしまった。 sogai.booth.pm そ…

筆まかせ5

最近、少し記事の更新が滞っている。別のところに寄稿する文章を書いていて、そのための調べ物もあったりしたことが主な要因なのだが、少し疲労があって、さらに文章を書くだけの余裕がなかったのも事実だ。ただ、それでも本自体は読んでいて、特に池内了『…

体の一部としての本—「本づくり学校修了展」製本ワークショップ体験記

8/22の土曜日。休日にもかかわらず、明らかにいつもより人通りの少ない浅草の町を歩き、浅草Book&Designにて8/22〜24に開催されている「本づくり学校修了展」、そこで行われている製本ワークショップに参加してきた。(http://misuzudo-b.com/news/291/ 2020…